2013年6月25日火曜日

心重ねて (後編)


共感するための簡単な方法とは何でしょうか。

それこそが、相手が話しはじめたときに「この人が表現しようとしているのは、プラスの感情なのかマイナスの感情なのか」ということだけを意識すること。

 人間は、「完全にプラスマイナスゼロの話をする」ということは、まずありえません。 話すという行動は、「話をまとめること」「実際に話すこと」「相手の反応を見ること」など、多くのカロリーを使います。何の感情もこもっていないのに、わざわざ何かを話そうとはしないものなのです。

 たとえば誰かが「昨日魚を釣りにいったんだ」と話し始めたとしましょう。
この後に「すごい大物が釣れてね」と話すのなら、自慢をしたいというプラスの感情。しかし「ぜんぜん釣れなくてさ……」と続くのなら、マイナスの感情を相手に伝えることで、その腹立ちを和らげようとしているわけです。

 もちろん複雑な話の展開になることも十分ありえますが、ほとんどの場合、本人の表情や雰囲気から、結論が「良かった」のか「悪かった」のかは分かるはずです。

 それが分かったら、ハッキリと自分の心に「プラス」か「マイナス」かを刻むこと。
 そして、プラスなら「笑顔」。マイナスなら「悲しそうな顔」をすればいいだけです。

 それだけで、特に意識しなくても、あなたから相手への受け答えは自然に「共感的なもの」に変わってくるはずです。もちろん、途中で見込みを間違えたと思ったのなら、すぐに表情も新しいものに変えること。

 これこそがスーパーメソッド「リーディング・フェイス」!
 難しく考える必要はありません。相手の感情がプラスかマイナスか読んで(read)、それに表情を合わせること。たったそれだけで、気持ち全部を自分のほうに導く(lead)ことができるんですよ。


 これを聞くと、ほとんどの人が「なぁんだ、それだけかぁ……」と思うはずです。
 でも実際にこれができる人は、かなり少ないのではないでしょうか。
 「はぁ……。はぁ……。そうですか……」というように、『ただ何となく』話を聞いている人が大半ではないでしょうか。これでは相手は、「本当にこいつは分かっているのか?」と思い、余計な疲れを感じてしまいます。会話が苦痛になってくるだけでしょう。

 人は、「自分の感情を相手に伝えたいからこそ、話をしている」のです。もちろん、相手に全部の感情が伝わっているかどうかは判断できません。しかし、「プラス」か「マイナス」の気持ちさえ分かってもらえれば、それだけでかなりの満足を得るものなのです。

 目が輝いている。
 顔がニコニコしている。
 そんな表情や、会話の内容を元に、相手の言葉に込められた感情がプラスかマイナスか、それだけはすぐに判断して、あなたの表情を変えてくださいね

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